【日本の伝統色】Japanese traditional color Vol.5
2024年10月22日 「日本の伝統色」あれこれ
第5回目のテーマは ◆招き猫の由来と色で変わるご利益◆ です。
招き猫は「商売繁盛・千客万来」の願いを込めて飾られる縁起物であることは皆様ご存知の通りですが、
右前足(向かって左)を上げている猫は「財産」を招き、
左前足を上げている猫は「人」を招くといわれています。
さらに、色ごとにそれぞれ異なるご利益があるとされます。
昔から伝統的に作られてきた色
白…招福
金…金運
黒…厄除け
赤…病除け
近年になって作られるようになった色
ピンク…恋愛成就
緑…安全祈願
青…学業成就
黄…縁結びまたは人脈を広げる
とされています。
招き猫の由来については全国に幾つかの説がありますが、
井伊直弼のお墓があることで知られている豪徳寺(東京・世田谷区)の招き猫の由来は次のとおりです。
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その昔、彦根藩二代目藩主・井伊直孝が鷹狩りの帰りに豪徳寺の門前を通りかかった時のこと。
和尚さんの飼い猫が手招きをしたので、いぶかしく思いながらもお寺に立ち寄ることにしました。
お茶を頂きながら和尚さんの説法を聞いていると、夕立が降り雷が鳴りました。
井伊直孝は猫のおかげて雷雨をしのげた事を喜びました。
そして、このご縁を大切に考え豪徳寺を井伊家の菩提寺とし、多くの田畑を寄進したそうです。
それまで貧寺だったこのお寺は、猫の手招きのおかげで運を拓いたわけです。
この猫の死後、和尚さんは猫のお墓を建て、姿形をつくり「招福猫児」と名づけました。
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※写真は豪徳寺の「招福猫児」です。色は白のみとなっています。
※井伊直弼はこの伝承に出てくる井伊直孝の子孫にあたる方です。
(文・写真 桜井輝子/参考文献:豪徳寺・招福猫児の由来リーフレット)