【日本の伝統色】Japanese Traditional Color Vol.1

2024年10月22日 「日本の伝統色」あれこれ

日本の伝統色をテーマにしたコラムを、12回シリーズでお届けします。
どうぞ最後までお楽しみください。

第1回目のテーマは ◆日本人の色のルーツ◆ です

古事記・日本書紀などに記されている、もっとも古い時代から日本に存在する色カテゴリーは「赤・黒・白」で、
その後「青」が加わった4つが、日本人の色のルーツとされています。

これは太陽の動きとともに変化する、外界のようすとつながっています。

❶夜明けとともに空が明るくなる [明し(あかし)=赤]
❷日中、物のかたちがはっきりと顕れる [顕し(しろし)=白]
❸夕暮れ時、周囲の風景が漠然として見える[漠し(あおし)=青]
❹日が沈み、夜の闇に包まれる [暗し(くらし)=黒]

簡単に言うと赤は「明るい」、黒は「暗い」という光の状態をあらわす言葉が、色名(しきめい)のルーツです。

ちなみに、日の出とともに東の空がオレンジピンクに染まるようすが曙色(あけぼのいろ)と呼ばれるようになり、
同じような色に染まった雲の色は東雲色(しののめいろ)と名付けられました。

聞きなれない色名ですが、
普段使っているメールソフトなどで「しののめいろ」と入力すると…東雲色という漢字が出てきます!

(文・写真 桜井輝子/引用 『配色アイデア手帖 日本の美しい色と言葉』 SBクリエイティブ)