なごや色さんぽ#8【ザ・なごやスイーツ!その名は「外郎」】
2018年09月16日 カラーコラム「なごや色さんぽ」
カラーデザインマスターによるカラーコラム『なごや色さんぽ』
名古屋市のシンボルマーク(市章)は、数字の「八」をマルで囲んだシンプルなデザイン。
末広がりを意味するおめでたい市章の八に肖る第8回目の『なごや色さんぽ』は、名古屋土産の定番スイーツ「外郎」の登場です。
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【ザ・なごやスイーツ!その名は「外郎」】
「外郎」。「ういろう」と読みます。
穀粉・砂糖・水を混ぜて蒸すという、材料、製法ともシンプルであるため、実は名古屋に限らず、日本各地でご当地の名物となっている和菓子です。
起源には諸説ありますが、「外郎薬」という薬の色に似ていた、という「色」が理由になって、この素朴なお菓子は個性的な名前を獲得したようです。
ちなみに薬の色は黒。元祖「外郎」は黒(黒糖使用)だったということです。
写真の【1段目:青柳ういろう】と【3段目:大須ういろ】は、現在通年販売されている一口タイプのバリエーション。
いずれもパッケージの開封口から順に、左から右へと並べてあります。
5色(5味)の並べ順に関する情報は企業様から公表されていませんが、カラーに関わる私どもにとって、これは考えるのが楽しい課題です。
手に取りやすいよう明るい(軽い)色から暗い(重い)色へ、花のピンクが先に、大地の緑が後に・・・など、みな様各人で「私ならこう並べる案」をぜひ考察なさってみてください。
残る【2段目】は、日本工業規格(JIS)で規定されている「JIS慣用色名」から、5色に相当する色名を選び、カラーサンプルにマンセル値を併記したものです。
名古屋文化の中で育った多くの人にとっては、「白、黒、抹茶色、小豆色、桜色」のこの順番が一番しっくりとくるはず。
その理由は・・・目ではなく耳が慣れている♪から・・・とご説明しておきましょう。
DICグラフィックス株式会社が行った「未来に伝えたい名古屋の色」のリサーチで、上位に選ばれた「外郎」。
味よし、色もよし。さらに、名古屋人にとってのお土産三大重要ポイント「重い」「大きい」「かさばる」もはずさない、
「外郎」はまさにザ・なごやなスイーツなのです。
by シニアカラーデザインマスター[エグゼクティブ] 平松里香