カラーを仕事にする方法Part.4-カラー業界のリアル

平松氏、桜井氏、二神氏
桜井輝子プロフィール
二神弓子プロフィール
平松里香プロフィール

Part.4
カラー業界のリアル

集合写真

平松 里香
私は講師をしているので、カラーを学ぶ生徒さんたちが「いつか桜井さんや二神さんのようになりたい!」と、夢を描いている姿を近くで見ています。夢を叶えるために、学校に通って知識とスキルを身につけた!資格も取った!けれど、いったいこの先どうしようかと・・・。「そこから先」に戸惑う方がたくさんいらっしゃる。そこで、一歩を踏み出すために、お二人からアドバイスを3つずついただけますか?ご自身が日頃から大切になさっていることでも結構です。二神さんはいかがでしょうか?
二神 弓子
私、起業塾っていうのを始めているんです。個人で仕事を始めるにしても、試算表も作らずに始めるのは無謀すぎるので。でも、作っている人っていないんですよ。
平松 里香
作り方を知らないのかもしれないですよね。
二神 弓子
自分で理解できればそれでいいので、私は大学ノートに殴り書きでした。自分しか読めないようなぐしゃぐしゃで、わーって試算してみて。あぁだめじゃん、全然だめじゃんって。それでプランを一から考え直し。それをやらないで「サロンに週に何人くらいお客様が来るから、頑張っていればいつかは・・・」なんて、そんなわけないんですよ。

自分が生活するためにはいくら必要で、別に生活がかかってなくてもいいんです、要はどのくらいの売上を出すだけの規模の仕事をしたいのか、そのあたりを明確にしないと。そんなに儲からなくてもいいって言ったって、赤字をずーっと垂れ流していったらいつかは破綻するわけじゃないですか。だったらせめてトントンにすることはしないといけないわけで。無謀に始めて、訳が分からないで挫折される方が多いんですよ。簡単な資金繰り表でいいんです。自分一人が分かればいいので。それは絶対やりましょうねってことは言います。難しくはないし、自分が分かればいいので、大学ノートに手書きでいいと思いますよ。

平松 里香
それはしないでしょうね。頭の中でイメージはあるけど、なかなか可視化はしないですもの。
二神 弓子
私の生徒さんに、資金繰り表のフォーマットを渡して「これに書き込んで」って、最初はデータでやると実感できないから、自分で電卓叩いて書いてって。宿題にして、次回いらしたときに「どうでした?」って聞いたら、全員「愕然としました」って言うんですよね。一から考え直さなければいけない、こんなんじゃだめだ、仕事にならない、趣味にしかならないって。だからもう一回考え直しましょう、ゴールへの資金繰り表を、来月から仕事を始めると仮定して、一枚でも二枚でもいいからって。三枚だったら3年分ですよね、それで4枚目には夢が叶った状態。それを絶対に作ってもらうっていう。ICDの「パーソナルスタイリスト講師講習会」でも、考え方であったり、意識の部分はお伝えさせていただいています。

あとは、すぐに結果が出ないからといって諦めないでほしい。2、3年かかるのが普通なので。

平松 里香
講師でもそうですね。
二神 弓子
ですよね。なので、最初は何らかの形でお金を稼ぐ仕事をキープしながら始めてもいいんじゃないかな。
平松 里香
二足のわらじみたいな感じで、生活のための仕事と夢のための仕事。
二神 弓子
私はそういう時期があってもいいと思いますね。
桜井 輝子
確かにね。諦めないって大事ですよね。
平松 里香
大事だと思う。「OFF」というスイッチを押してしまったら、それ以上先はないですものね。
二神 弓子
資格を取ったからってゴールではないので、そこがスタートなので。そこを勘違いしてしまう方が、どうしてもちょっと多いのかな。
平松 里香
資格を取ったら何かできる!って、みんな夢を持っていますよね。
二神 弓子
スタートできるってことであって、本当の山登りはそこから始まるって思うんですよね。
平松 里香
確かに仕事をするということは、お金をもらえるだけの何かを提供できなければならないわけですからね。
二神 弓子
まぁね、結婚がゴールじゃないっていうのと同じで、学校を卒業する、資格を取るも同じだと思うんですよ。短期的に見ないで、もっと長期的にね。「スタートさせてもらえる資格を得たんだ」という感覚で考えてほしいですよね。3つめは考えておきます。

二神先生

平松 里香
桜井さんからのアドバイスはいかがでしょうか?
桜井 輝子
今、二神さんがおっしゃったように、資格を取得したところからがスタートだとしたら、やっぱり、カラーの世界ってまだちゃんと道が整っていない世界だと思うんですね。舗装されたきれいな道路がまだ開通していない世界だと思います。だから、ある意味自由でいいんですね。二神さんのように山登りに例えるならば、どんなルートで頂上を目指しても構わないっていう自由さ、チャンス、可能性っていうのは、ものすごくある世界だと思います。ただ、「道はどこ?教えて?どっちに行けばいい?」っていうタイプの人にはとても厳しい世界かもしれないですね。
平松 里香
自分で開拓しない限り、先に続く道はない。
桜井 輝子
そうですね、道なき道を切り拓いて行かないと(笑)二神さんのお話を聞いて思ったんですけど、二神さんってただキレイなだけじゃなくて、強いですよね。それは道なき道を進んで来た方だから、強い。
平松 里香
それは桜井さんも同じですよ。カラーの世界は道がないので、今成功されている方は自分で道を切り拓いてきた方だと思います。
桜井 輝子
今、世の中がカラーに対して注目をしてくださっている。特に大きな企業が「カラーの可能性を活用してみようか」っていう流れがあって、良い風が吹いてきていますよね。
二神 弓子
パーソナルの方も、始めた頃は「見た目なんて関係ないだろ」っていう世代の男性が多かったのが、今は一番偉い人たちの世代まで、外見をちゃんとする大切さをわかってきているので、企業研修はすごく増えていますね。「印象を良くするために」という流れがあって、いい時代だと思いますよ。
平松 里香
これから勉強を始める方にも、自分が開拓していける、様々な可能性がありそうですね。
桜井 輝子
はい。いい時代がやっときたと思いますね。
それで、3つのポイントでしたっけ。考えてきたんですよ、ちゃんと。ひとつはね、カラーの仕事をするには世の中の大きな流れを知っておく必要があると思うんです。今どの方向からどういう風が吹いているかってことを知らないと、的外れな仕事の仕方になる。カラーって何にでも付いているので的が絞りづらいですよね。だから世の中の大きな風を読むってことは大事だと思うんです。
平松 里香
具体的にどんな方法をとればいいですか?
桜井 輝子
新聞を読むとか、興味あるテーマの情報を定期的に入手するとか。色の流行って、経済と密接につながっているじゃないですか。景気が良ければ鮮やかな色が流行するし、景気が落ち込めばどんなに鮮やかな色を仕掛けてもダメ。人々のマインドがそれを受け入れない。カラーって美しい世界で、感性や感覚の世界なんですけど、それだけでは仕事にならないっていうことはお伝えしたいです。
平松 里香
色だけでなく、うつわ全体を知りなさいということですね。
桜井 輝子
世の中のしくみとか流れは最低限知っておかないと、どんな仕事でも難しいと思います。で、ふたつめが、理論と感性を半々くらい持ち合わせるということでしょうか。理論だけだと夢がない、感性だけだと仕事にならない。だからカラーでお仕事をするためには、右脳と左脳の両方をバランス良く使っていくことが大事かなと思います。
平松 里香
どちらかというとですが、左脳が苦手な感じの方が多いような気がします。
桜井 輝子
女性はそういう方が多いのかもしれないですね。だからこそ、ちょっと意識するだけでグッと仕事のチャンスが増えると思いますよ。最後、3つめは表現スキルを磨くことです。
平松 里香
それは話の仕方とか、ビジュアルツールを作成するといったような、自分が表現したいことを伝えるためのスキルということでしょうか?
桜井 輝子
はい。私が今やっている仕事が特にそうなんですが、全く何もない「無」の状態から、プランニングしたりコンテンツを作ったり、例えば物を売るためにどういう仕掛けを作ればいいのか、カタログをどうにかしたらいいのか、それともパッケージの色をどうにかしたらいいのか、商品の陳列をどうにかしたらいいのかみたいなことを考えていく仕事があるので。そうすると、自分の頭の中を人にわかりやすく伝達するスキルが必要になってくると思います。

それ以外にも、表現するスキルっていろいろあると思うんですよ。たとえば夢を売るはずのカラーデザインマスターが、生活感ありありで疲れていたら説得力ないですよね。なので、女性としての身だしなみも必要かと。これは二神さんがご専門ですが。

桜井先生

二神 弓子
実は苦しい時代に、ガスを止められたことがあって。でも、きれいにしていかないといけないわけで。冬なのに水でシャワー浴びて髪洗って(笑)それで仕事行ったこともありました。本当にどんなに大変でも、きれいにするってことはしなきゃいけない仕事じゃないですか。
平松 里香
ある意味「ハル」ということですよね?
桜井 輝子
平松さんはICDの中では検定委員長でいらして、三人の中では一番生徒さんと接する機会が多いと思うんです。でも、平松さんといえども人間だから、いつもいつも絶好調なわけではない。どうやってご自身をキープされているんですか?
平松 里香
うーん。スイッチがオンになると自然に「ねばならないモード」に入ると思うのですが。ある日、自分の家の庭でころんでしまい、脚に大怪我をしたことがありました。次の日に授業はあるけど全く歩けない・・・。でも授業には行かないと・・・。それで、いつもの何倍もの時間をかけて学校にたどり着き、いつも通りに授業を行い、いつも通りに家に戻ってくる。何事もなかったようにね。後で考えてみると、よくぞ動けたものだと。身体は思うにまかせないから、講師としての責任感と精神力だけの力によるもので。時間とお金を投資して教室で講義を待つ生徒さんのことを思えば、行かないことによって迷惑をかけてしまうことが、プロとして許せないんですね。講師である前に一人の人間ですから、いつも絶好調ではいられませんが、仕事のスイッチが一度入ったら、好調であって当たり前!と思い込んでいることが、自分をキープするコツでしょうか。なんだかさっきの二神さんのお話に似ているかもしれない。
二神 弓子
やっぱりうまくいっている人ってそういう「プロ意識」がありますよね。プロ意識が全くない人って本当にいて。私の会社でも先生を何人か雇っているんですが、先生によってプロ意識の差がものすごくて。プロ意識の高い先生って、他でもどんどん新しい仕事を取ってくるし、こちらとしてもすごい安心だから依頼しちゃうんですよ。ない人って、まるで会社を休むかのように「いついつの講座、行けなくなったんで・・・」って普通に言いますからね。だから平松さんみたいな人は、絶対成功しますよね。
平松 里香
講師歴は20年になりますが、これまでに仕事を休んだことは一度もないし、講座に遅刻したことも一回もありません。この当たり前を愚直に続けてきたことに、皆勤賞ください!(笑)

さて、閑話休題でプロ意識のお話に戻りますが、カラーの仕事をしたいという方に、じゃあ簡単な仕事からって「お任せするね」とご依頼すると、選ぶんですね、仕事を。

二神 弓子
そうそうそう!
平松 里香
これはやりたい、これはやりたくないと。
表に華やかに見えている仕事だけがカラーの仕事じゃない。見えない数え切れないほどの地味で小さな仕事の積み重ねがあってこそ、見えている部分の仕事が成り立っていると思うのですが。
桜井 輝子
わかるわかる。
二神 弓子
さっき2つまで話して、3つめを考えていたんですけど、お仕事をくださるクライアントさんがいて、「与える」っていう感覚がベースにないといけないと思います。ひとつひとつのところで、ここは損だなってことがあっても、大局を見てお客様の役に立たないと絶対私の存在価値がないから。そういう大前提でいると、あれがイヤだこれがイヤだってことが絶対出てこなくて。例えば、ドレープ(パーソナルカラー診断に使用する布)を仕事の現場に持っていくのが重たくてイヤだとかいう人がいるっていう噂を聞きますけど、あり得ないっていうか。
平松 里香
リピートしないと仕事って続いていかないので、もし仕事を長く続けていきたいのであれば、一回一回が真剣勝負ですよね。
桜井 輝子
厳しいですよ。誰も守ってくれないですもん。
平松 里香
相手が思っている以上のものが提供できて、はじめて次に繋がっていくんですよね。10やってくださいと依頼されて、10返すのでは次に続かないです。
桜井 輝子
自分が関わらせていただくことで、どんなふうに喜んでいただけるかっていうことを常に考えていかないと、二度と声はかからないですよね。
平松 里香
しかも、同じ仕事は二度とないと思いませんか?
講師の仕事は一回その授業をやったら、同じレジュメで同じように話せばいいから楽な仕事だと思われている。「長くやってると、すごくラクでしょ」って。そんなはずがないじゃないかと。授業を受ける方は一回一回違うのだから。
桜井 輝子
カラーの世界って、とても華やかで煌びやかでステキなお仕事だから、憧れている人が千人いるとすると、実際にアクションを起こしてカラーの勉強をスタートする人は百人だそうです。じゃあその百人のうちで、実際にカラーのお仕事をする人は何人いるかっていうと、一人か二人だそうです。今志している方々には、ぜひ仲間になって頂きたいですね!
平松 里香
これからカラーを仕事にされたいと思っている方たちにとって、とても参考になりそうなお話でしたね。ありがとうございました。

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