カラーを仕事にする方法Part.2-今このとき

平松氏、桜井氏、二神氏
桜井輝子プロフィール
二神弓子プロフィール
平松里香プロフィール

Part.2
今このとき

桜井氏と二神氏

平松 里香
本日お越しいただいたお二人は、国際カラーデザイン協会、各部門の運営に携わっていらっしゃいますが、それぞれが株式会社の代表取締役としても手腕を振るわれ、カラー業界の第一線で活躍されている存在です。

まずは、当協会パーソナルスタイリスト事業企画委員長の二神弓子さんにお話を伺います。先日ドラマを見ていたら、二神さんの「株式会社アイシービー」の名前がエンドロールに出ているのを発見しました。現在のお仕事について聞かせていただけますか?

二神 弓子
そのドラマはミスコンテストのお話だったので、台本の監修とウォーキングやポージングの個人指導をさせていただきました。ミスユニバースやミスインターナショナルなど、世界三大ミスコンテストファイナリストの日本代表の指導などもしています。日本代表になったら、今度は世界で一位を目指すため、ご自身が一番きれいに見える色で衣装を作っていきます。まずは私のほうでパーソナルカラー診断を。その結果を踏まえて、衣装のデザインを考えていかれるんですよ。
平松 里香
日本を代表するミスたちは、一番お似合いになる色をお召しになっているということですね。
二神 弓子
診断の結果を採用するかどうかはご本人の判断次第なのですが、結構採用してくれるので、大会に行くと「あの色でドレス作ってくれたんだ!」と、嬉しい瞬間に出会うことが度々ありますね。
平松 里香
普段はそういった指導をする仕事が多いのでしょうか。
二神 弓子
仕事の種類としては色々ありますね。指導するような仕事は企業研修、弊社のスクールなど。パーソナルカラーやファッション、マナーに関する書籍の執筆や監修も行っています。

他には、企業のドレスコードマニュアルの制作に携わることもあります。たとえば、自動車メーカーのショールームで働く女性たちのヘアメイクマニュアルの監修に携わった時には、肌色に応じたメイクの色使いや、ネイルの規定なども作りました。カラーは何にでも付いているので、 仕事の幅は本当に広いですね。

また、今まででいちばん驚いたのは、墓石の業界団体から講演の依頼をいただいた時です。色について話してくださいっていうことで。

平松 里香
それは意外な業界からのオファーですね。何の色に関する講演のご依頼だったのですか?
二神 弓子
そう思いますよね。私もわからなくって。ふたを開けてみたら、墓石屋さんも葬儀屋さんも毎日喪服を着ているわけではなく、日常は普通のスーツにネクタイをしているので、華美にならない程度に印象を良くしたいということでした。一見、色は関係なさそうな業界でも、色は必ず存在するってことですよね。人間がいれば色は付いてまわるので、仕事の幅は自分で限定しないことが大切。発想次第で仕事の幅が広がるんだと思いました。
平松 里香
では、桜井さんにもお話を伺います。私が住む街の駅前にある大きな書店に行くと、桜井さんがご執筆なさった書籍がずらりと平積みして置いてあります。それを見ると、「私、この人知ってます!」って言いたい衝動に駆られます(笑)。桜井さんのお仕事は、ご執筆に限らず「東京カラーズ株式会社」の経営業務など、多岐にわたっていらっしゃると思いますが、詳しく教えていただけますか?
桜井 輝子
はい。本の話が出たのですが、私はもともとカラーを教える仕事を長くやっていたので、検定対策など色彩教育に関するものが6冊と圧倒的に多いです。他に配色に関するものが2冊。思いっきり女子のための実用書が1冊。お料理やファッション、メイクとかね。いちばん新しい書籍は、2020年の東京オリンピックを見越してなんですけれども、「日本の色」にスポットを当てて、こういう色彩戦略が功を奏してこんな商品が売れてますよ、という今の時代に沿ったものです。おかげさまで、全部合わせて10冊になりました。

本を書かせていただくお仕事にもすごく恵まれたのですが、会社としてはカラーコンサルティング、カラーアドバイス、企業研修も数多く請け負っています。

平松 里香
カラーコンサルティングというのは具体的に、どのようなことをするのでしょうか?
桜井 輝子
最近ではある企業から依頼を受けて、地方都市のショッピングモールのトイレやレストスペースのカラープランニングをしました。とても大きなショッピングモールだったので、デザイナーさんと協働で取り組みました。
平松 里香
桜井さんには、カラーを専門で担当してくださいということですね。
桜井 輝子
そうです。今まで長年カラーの仕事をしてきて、色だけに特化したここまで規模の大きい仕事は初めてでした。これでやっと、色を専門とする職業が日本の社会で確立されるっていったら大げさかもしれないですけれどね、限りなく専門知識を深めていったら仕事になりますよっていうことを、証明できるのではないかと思っているんです。プロジェクトが大きくなればなるほど、チームで協力して作っていくというスタンスです。

平松氏

平松 里香
「うちの会社にしかこれはできない」というような、強みがおありだと思うのですが、それについてお聞かせいただけますか?
桜井 輝子
うちの会社は、「日本の色を世界にシェアする、世界の色を日本に紹介する」という非常に大きなビジョンを掲げているんです(笑)。世界でも、他に類を見ない優れた色彩教育システムであるNCS(ナチュラルカラーシステム)を日本に広めたいという一心で、2013年にスウェーデンに留学してライセンスを取得したんです。スウェーデンに行かないと学べないことが国内で学べ、修了生の方々にはスウェーデン本部から修了証が届くという日本初の講座。これは、うちのオリジナリティのひとつだと思っています。

あとは「日本の色を世界にシェアする」っていうところでは、いわゆる日本伝統色など、古くからある日本の伝統的なものを新しくアレンジして紹介していくことにも、力を入れていきたいと思っています。

平松 里香
伝統色の名前を使った商品も今いろいろありますが、日本人であっても、意外に日本の伝統色というものをご存知ない方が多いですよね。
桜井 輝子
意外にね(笑)。ウェブデザインなんかを勉強している方たちにそういう話をすると「色名にそんな由来があったんだ…」という感じで。
平松 里香
色の名前自体に情緒があったり、由来があったりと面白いですよね。
桜井 輝子
世界中で、色にここまで細やかな名前をつけて、四季折々の情緒を楽しむ国って日本だけなんですね。例えば「竹」の緑にしても、生えたばかりの竹は若竹色、青々と成長すると青竹色、枯れてくると老竹色と呼び分けるとか。これを外国の方にお話しすると、驚かれることが多いです。日本の色をひとつの文化遺産として捉え世界中の人にシェアすることは、とても意義があることだと思っています。
平松 里香
そうですね。自然と融合して生きてきた日本人特有の感性を大切にしていきたいですよね。では、国際カラーデザイン協会(ICD)におけるお仕事についても、お聞かせください。
桜井 輝子
ICDでは事務局業務を担当しています。お引き受けたした背景としましては、カラーは「資格を取っても仕事にならない」ってよく言われていますよね。そこをなんとかしたいと思いまして。私は紆余曲折、泥まみれになりながらここまできた感じがあって、自分の中でうまくいったこと、いかなかったことを含めて次の世代の方々のお役に立てればという思いがあります。資格を仕事につなげるお手伝いをしたいと思いますし、そういう意味では事務局という裏方で、資格を活かせる仕組みづくりを積極的にやっていきたいと思っています。
平松 里香
二神さんはICDの中ではどのようなお仕事をされているのですか?
二神 弓子
私はパーソナルスタイリスト講座のカリキュラム、プログラム作りをさせていただいています。現場で活躍できるパーソナルスタイリストを育成しなくてはいけないので、色だけではなくて、その先を見据えた教育を目指しています。

たとえば、パーソナルスタイリストをするときに、女性が男性のクライアントにスーツの提案をできるだけの知識はありますかっていうと、普通はないです。女性のスーツと男性のスーツって根本的に考え方が違うんですね。なので、たとえば同行ショッピングをしたときに、店員さんときちんと話ができるくらいの知識は身につけてほしい。そういった、服装全般についての知識をつけてもらうとか、パーソナルカラーができれば仕事ができるわけではないっていうところに重きをおいていて、カラーをどういうふうに取り入れていくのか、いい意味で色のオタクにならないように気をつける。

パーソナルカラーにあまりにも忠実すぎると、シーズンによっては時代と合わないファッションに見えてしまうんです。パーソナルカラーをどうやってメイクやファッションに取り入れていけば、綺麗に見えつつ、印象もよくて、しかもお洒落に見えるのかということを、ちゃんと現実的にお伝えしていくことを心がけています。

またICDでの仕事としては、パーソナルスタイリストの修了生に向けたパーソナルスタイリスト講師講習会も行っています。色やファッションの知識は大前提として、現場でプロとして仕事をするとはどういうことなのか、資格を取っただけでは仕事にならないので、独立してフリーランスでやっていくために必要な知識や心構えについてもお伝えしています。カラーの知識だけを突き詰めればいいという事ではないんです。

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